先手が、自由をつくる

私は子どもの頃から、夏休みの宿題を夏休みが来る前に終わらせるタイプでした。

友達が「夏休みになったらやろう」と言っている横で、私はせっせと宿題を片付けていた。変わっていると思われていたかもしれません。でも私には、明確な理由がありました。

楽しいことが始まる時に、手元に重たいものを残しておきたくない。

それだけのことでした。宿題が終わっていない状態で海に行っても、どこかに「まだ終わってない」という重さが残る。それが嫌だった。だから先に終わらせる。そうすれば、夏休みの間中、何も気にせず全力で楽しめる。

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やるべきことを終えた先にある自由

でも面白いことに、いざ夏休みが始まると、意外と時間があるものでした。

宿題をやり終えているから、やることがない。暇だから、なんとなく勉強する。そんな日もありました。そして宿題という「やらなければいけないこと」がない分、自分が本当にやりたいことに時間を使えた。

好きな工作をしたり、押し花時計を作ってみたり。誰かに言われたわけでも、評価されるわけでもない。ただ、やりたいからやる。そんなわくわくする時間を、夏休みになると過ごせていたように思います。

「やるべきこと」を先に片付けることで、「やりたいこと」のための時間と心の余白が生まれる。子どもの頃の私は、それを体で知っていたのかもしれません。

大人になっても変わらない感覚

この感覚は、大人になった今も変わっていません。

ビジネスでも、先に「重たいもの」を片付けておくことで、本当に大切なことに集中できる。やり残したタスクを抱えたまま新しいことに取り組んでも、どこかに引っかかりが残る。それは子どもの頃、宿題を終わらせずに海に行った時の感覚と、本質的には同じです。

私がクライアント様と一緒に「時間の設計」をするとき、必ず聞くことがあります。「今、手元に残っている手が付けられずにいるものは何ですか?」

やらなければいけないのに後回しにしていること、決断できずに宙ぶらりんになっていること、気になっているのに見て見ぬふりをしていること。そういったやり残しが積み重なっているとき、人はなかなか前に進めません。新しいことを始めようとしても、どこかに引っ張られる感覚がある。

先に片付ける。それだけで、驚くほど動きが軽くなることがあります。

さらに一歩進めるなら、「仕組みを作る」ことをおすすめしています。重たいものを先に片付けるだけでなく、毎日の生活に落とし込みやすい形に整えておくこと。習慣化しやすい仕組みを最初に作っておくことで、その後の毎日がぐっと楽になります。

例えば、SNSに100投稿したいと思ったとします。いきなり毎日投稿しようとすると、「今日は何を書こう」「どの画像を使おう」という判断が毎回発生して、それだけで消耗してしまいます。でも最初にまとめてタイトルを考え、内容の方向性を決め、使う画像の候補を揃えておく。その準備に最初だけ時間をかけておけば、あとは毎日ただ「実行するだけ」の迷いがない状態になる。

最初の一瞬は時間がかかります。でもその仕込みを終えた後は、毎日がとても楽になる。重たいものを先に片付けた夏休みが、その後の毎日を自由にしてくれたように。

今日できることを、今日やる

だからこそ私は、「重たいものを先に片付ける」という習慣を、今も大切にしています。

全部を一気に解決しなくていい。でも、今日できることを先送りにしない。気になっていることに、今日向き合う。その積み重ねが、心の余白をつくり、本当にやりたいことのための時間を生み出していく。

夏休みの宿題を終わらせた後に広がっていた、あの自由な時間を覚えていますか。

やるべきことを先に手放したとき、初めて見えてくる景色があります。大人になった今も、その感覚は変わらない。むしろ、大人だからこそ、意識的に「先に片付ける」を選んでいく必要があるのかもしれません。

あなたの手元に今、後回しにしている「重たいもの」はありませんか?

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