「職場ではみんな仲良くした方がいい」
そう思っている人は、多いと思います。チームワークが大切、雰囲気を壊したくない、できれば誰とでも上手くやっていきたい。その気持ちは、決して間違っていない。
でも同時に、「人間関係のトラブルには巻き込まれたくない」とも思っている。
この二つの気持ちが、同時に存在している。そのずれに、気づいていますか?
その価値観は、どこから来たのか
少し立ち止まって、考えてみてほしいことがあります。
「みんな仲良くした方がいい」と思うようになったのは、なぜでしょうか。
部活でチーム一丸となって目標を達成した経験があるから?誰かを置いていかないことの大切さを、身をもって知っているから?家族がいつも仲良くしていて、それが当たり前だったから?
必ず、きっかけがあるはずです。過去のある経験が、「こうあるべき」という価値観をつくっていく。「みんな仲良く」という思いも、あなたがこれまで生きてきた中で、大切にしてきたものから生まれているはずです。
それ自体は、あなたの大切な価値観です。否定するものではない。
ずれの中にある本音
でも、「巻き込まれたくない」という気持ちはどうでしょう。
巻き込まれたくない、ということは、そこに何か嫌なものを感じているということです。苦手な人がいる、居心地が悪い瞬間がある、関わると消耗する感覚がある。
「みんな仲良くすべき」という気持ちと、「でも巻き込まれたくない」という気持ち。この二つが同時にある状態は、矛盾しているようで、実はとても正直な状態です。
そのずれの中に、あなたの本音が隠れています。
「あの人が嫌」の奥にあるもの
私がコーチングをしていて、よく出会う場面があります。
「職場の雰囲気が悪くて、毎日しんどい」と話してくれるクライアントさんに、「何が一番しんどいですか?」と聞くと、最初は「あの人がいるから」「あの関係が面倒だから」という答えが返ってくることが多い。
でも、対話を重ねていくうちに、少しずつ別のものが見えてきます。
「本当は、もっと深く仕事に集中したい」「表面的な付き合いではなく、信頼できる関係の中で働きたい」「誰かの機嫌に振り回されず、自分のペースで動きたい」——そういった、本当の望みが浮かび上がってくる。
「あの人が嫌」ではなく、「私はこうありたい」という声が、ずれの奥に隠れていたのです。
ずれは、弱さではなかった
私自身も、かつて職場の人間関係に消耗した時期がありました。
「みんなと上手くやらなければ」と思いながら、特定の人との関わりがどうしてもしんどかった。巻き込まれたくないのに、気になってしまう。その矛盾した自分が、また嫌になる。
そのループから抜け出せたのは、「私は何に反応しているのか」に気づいたときでした。
しんどいと感じるのは、相手のせいではなく、相手の言動が私の中の何かに触れているから。その「何か」に耳を傾けたとき、「私は本当は、対等に意見を言い合える関係の中で働きたかった」という本音が見えてきました。
ずれは、弱さではありませんでした。本音のサインだったのです。
本音に耳を傾ける
「みんな仲良くすべき」という思いと、「巻き込まれたくない」という感覚。その間にあるずれを、見て見ぬふりをしていませんか。
そのずれに、丁寧に耳を傾けてみてください。
「私は本当は、どうしたいのか?」「どんな環境で、どんな関係の中で働きたいのか?」「何を大切にして、仕事をしていきたいのか?」
その問いの答えが、あなたの本音です。誰かに言われた正解ではなく、あなた自身が積み重ねてきた経験と価値観から生まれる、あなただけの答え。
ずれを感じているということは、その答えが動き始めているサインかもしれません。
自分軸コーチングでは、「私は本当はどうしたいのか?」という問いを、一緒に掘り下げていきます。
職場の人間関係に疲れているとき、何となくしんどいけれど理由が分からないとき、ずれを感じているとき。そのずれの奥にある本音を、対話を通じて丁寧に引き出していきます。
あなたの「ずれ」は、本音のサインです。その声に、一緒に耳を傾けましょう。
